Ame-Hare’s blog

日々の生活や体験談、マンガやアニメを綴ります

不妊治療日記 プロローグ1

新婚半年

まだ子供はいいかな、と思っていた。

 

けど、産休明けの先輩とその赤ちゃんに触れるうち

漠然とだけど「こどもほしいな」と思うようになった

あささんに甥姪がすでに何人もいて、実家に行くとたいがい賑やかだったのも

意識するようになったきっかけかもしれない

なにより、まだ幼い甥姪と遊ぶあささんは理想的な父親の気質を持つように見えたから

そうして妊活を始めてみた

 

最初はアプリで自分の周期を把握して、数をこなした

けど何事もなく次の周期がくる

 

次に婦人科へ行ってみた

専門の不妊治療外来ではなく、地元の産婦人科

特に自分に異常はなさそうだった

「心配ないよ、けど血の巡りをよくする薬は出すから頑張って」

医師はそう言ってたし、自分にわかりやすい問題がないと言われて安心もしていた

 

「授かるのにもタイミングがあるし

 とゆーかまだもう少し二人の生活でいいし

 ねこさま迎えたばっかりだし

 問題ないなら別にいいや」

 

前向きに捉えることにして

引き続き自力での妊活に励む日々

 

そんなおり、あささんが気になる咳をするようになった

だんだんと苦しそうな咳こみ、呼吸にヒューヒューと音が混ざるようになってきて

仕事柄、ピンときた

 

「喘息じゃん、呼吸器内科行きなよ。○○クリニックが評判良いよ」

「めんどくさい…そのうち治るよ」

 

けどなかなか改善せず、さすがに病院にかかった

が、今度は処方箋をまじめに飲まないし吸入薬も使わない

 

「まじめに薬使いなよ、つらいのあささんでしょ?」

「だって効かないし…」

「そりゃあ処方された通りに使わなかったら効くものも効かないじゃん

 続けて使うから効くんだよ、薬ってのは」

「わかったよ…」

 

ようやく薬を使うようになったものの、いっこうに効いている様子がなく

しんどいせいか、市販の咳止めを買いあさり処方箋と合わせて勝手に内服するようになったのを知って「何を危ないことをしてるのか、吞み合わせというものがあるんだ」と小一時間怒った

不服そうだけどしぶしぶやめてくれた

 

お義母さんにも「あれ(咳)、喘息じゃない?病院行かせたら?」と心配される始末

 

けれども咳は止まらない

徐々に夜も眠れないくらいひどくなっていく

 

息苦しさに寝不足も重なってイライラしているのがわかる

不安でこちらもイライラする

 

咳が気になりだして3か月ほど経ったころ、あささんが熱をだした。

すぐに内科にかかる

診断は「マイコプラズマ肺炎

今度は処方箋をまじめに飲んでいたらしく、一週間ほどで微熱まで落ち着いた。

咳もなんとなく落ち着いていたから、実はずっとマイコプラズマ肺炎だったんじゃないかとさえ思った

 

しかし今度は微熱がずっと続く

さらに食欲も落ち気味になり、仕事休みの日は寝て過ごす

せっかくの初結婚記念日も外食など考える状況ではなく

このころは自分もまだ精神的に幼かったので、あささんの体調を気遣ってばかりの生活に不満が募ってきていた

 

あささんが「なんか手に変なイボみたいなのできた」と相談してきても、

「なんそれ。気になるなら皮膚科行きなよ」と、あまり気にかけず

 

微熱が続くようになって2週間ほど経った

仕事も休みがちで出勤すると微熱どころじゃない発熱でまた欠勤を繰り返す有り様

徐々に熱も上がっていく

気が付けば常に37度台の発熱をしている状態がいつまでも続く

けれど思い込みとは怖いもので「マイコプラズマ肺炎って診断されたし、それが治りきってないだけなんだろう」とお互いに思っておりまた受診する必要性を感じなかった

 

ある日「どうしても出ないと」と、ふらつきながら出勤支度していて

さすがに心配だったので自分が運転して送っていった日

 

あささんを職場に降ろし、自宅に戻って一時間ほど経ったころ

彼の職場から迎え要請の電話があった

いわんこっちゃない、すぐさま彼の職場まで車を飛ばした

 

すぐにかかれそうな内科の診療所をピックアップしていたので、この期に及んでまだ渋る彼を説得して受診することに

なぜならその時、今までで最も高い38度越えの発熱に加え食事もろくに取っていなかったためふらふらだったから

 

その診療所に着いてさほど待たずに診察が始まった

病状を説明、すると医師は

「よくわかんないけど、マイコプラズマじゃないよ」と言った

意味がわからなかった

じゃあ今までマイコだと思ってたこの症状は何なの?何が原因?

 

とりあえず、脱水も起こしてるからと点滴を打つことに

その間に彼を皮膚科の医師が診察することになった

先ほど内科の医師に今出ている症状を説明した時に手のイボのことも説明したからだ

 

その時気づいたのは、イボが手だけでなく肘や足の指などにも増えていたこと

いつのまに…

 

そのイボのひとつ一つを医師が診察していく

その医師はなにやら顔をしかめつつ「断定はできないけど…」と話し始める

 

「これ、ひょっとしたら全部難病の症状かもしれない」